100歳の少年と12通の手紙(フランス映画・2008年) |
<GAGA試写室>
2010年10月14日鑑賞
2010年10月19日記
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監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
ローズ(デリバリーピザの女主人)/ミシェル・ラロック
オスカー/アミール
デュッセルドルフ(医師)/マックス・フォン・シドー
ゴメット(婦長)/アミラ・カサール
リリー(ローズの母)/ミレーヌ・ドモンジョ
2008年・フランス映画・105分
配給/クロックワークス、アルバトロス・フィルム
◆ わずか10歳にして白血病にかかってしまったオスカー少年(アミール)の余命は何とあと12日間。デュッセルドルフ医師(マックス・フォン・シドー)から両親へのそんな告知を隠れ聞いたオスカーのショックは大きかった。しかし、そんなオスカーに対して変に気をつかうことなく、正直に向かい合ってくれたのがちょっと口の悪い女性・ローズ(ミシェル・ラロック)。ローズは今デリバリーピザの女主人をしているが、かつては栄光の女プロレスラーだったらしい。落ち込むオスカーに対してローズが教えたあっと驚く知恵は、「残された命はたった12日」と考えず、「1日を10年間と考える」ということ。なるほど、それなら今10歳のオスカーは100歳以上生きられることになるから、その間恋愛、結婚その他いろいろと・・・。
◆ 私は文章を書くのが大好きだが、ローズがオスカーにもう1つ教えたことは、毎日神様宛の手紙を書くこと。理論的には10年間は3650日あるから、10年間毎日書いたら3650通の手紙になるはずだが、現実には1日に1通書くだけだから、12日間の余命があればその間に書く手紙は12通。本作の原題は『OSCAR ET LA DAME ROSE』だが、邦題は『100歳の少年と12通の手紙』。なるほど、邦題はローズの「仕掛け」をそのままタイトルにしたわけだ。
◆ 最初の「論点整理」を終えた後、映画は丁寧にオスカー少年とローズとの濃密な交流を通じて、オスカー少年の「成長」を描いていく。今オスカーは10歳だが、2日後、3日後には30歳、40歳。その頃にはさまざまな人生体験をしているはずだ。そんなオスカー少年の人生の歩みには、リング上におけるファンタジー色いっぱいのかつてのローズの栄光の日々が重ねられていく。まずは、今20歳になろうとしているオスカーには、体が青く染まる病気で入院中の少女・ペギー(マチルド・ゴファール)との恋模様が・・・。
◆ 映画が描くのは、12月20日からクリスマスを経て12月31日までの12日間。さあ、オスカー少年の100歳の人生の歩みとは?そして、毎日書く神様への手紙で語られるオスカー少年の思いとは?そんなバカな!そんなことありえねえ!と思いつつ、あなたの目に次第に涙が浮かんでくることまちがいなし!
2010(平成22)年10月19日記