続・我が闘争/勝者と敗者(スウェーデン映画・2010年) |
<シネ・リーブル梅田>
2010年11月3日鑑賞
2010年11月4日記
前編では、ナチスドイツの残虐性とともに、その誕生から崩壊までの歴史的位置づけを主に学習!しかして、続編はニュルンベルグ裁判を通して、ナチスドイツの残虐性に焦点を!ある意味、前編の補完的位置づけだが、映像の生々しさには思わず目を覆うところも・・・。なぜ、ここまで人間性を喪失できるの?ひょっとして、この残虐性はあなたの中にも?そんなことを考えながら、権力の恐ろしさと自分の果たすべき役割をしっかりかみしめたい。
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編集:トーレ・ショーベルイ、イングマール・エーベ、エリック・ホルム
日本語ナレーション:福士秀樹
1961年・スウェーデン映画・81分
配給/是空
<続編が描くのは?>
『我が闘争』鑑賞後の10分後に、続けて『続・我が闘争』を鑑賞。前編はナチスドイツの誕生から崩壊までを描いたものだったが、続編はナチス指導部に対するニュルンベルグ裁判の様子を描くもの。
その中でナチスドイツの、第1、侵略戦争に対する罪、第2、戦争捕虜の虐待と殺害ならびに無差別破壊行為に対する罪、第3、一般市民の殺害、根絶、奴隷化、ならびに追放ないしは政治的、民族的な迫害に対する罪の、数々を記録映画でつづるものだ。さて、続編にみるナチスドイツの犯罪性と残虐性は?
<ヒトラーの著作『我が闘争』とは?>
『我が闘争』は、ヒトラーが1924年に投獄されていたランツベルグ獄中で、腹心のルドルフ・ヘス(後の総統代理となる)とエミール・モーリス(運転手)に自分の思想を1年間にわたって口述筆記させたもの。ヒトラーはここに書いたとおりの信念にもとづく政策を現実に実行したのだから、それはすごい。
日本の政治家が書いた本もたくさんあるが、これらはライターがまとめたものが多いはず。したがって、その政治家がその実行のためにヒトラーのように命をかけるということもないのだろう。もっとも、戦争の終了までにドイツ国内で約1000万部を売り、その挙句に2000万人ないし3000万人の尊い人命を喪失させたのが現実だから、その犯罪性の強さは明らかだ。
<気の弱い方は、要注意!>
アウシュヴィッツをはじめとするナチスドイツによるユダヤ人殺害は世界中に知られているが、捕虜収容所が至るところにあったこと、ユダヤ人のみならずポーランド人やロマ族も殺害の対象とされたこと、さらにナチスドイツ軍は占領した村々で多くの一般市民を何の理由もなく大量に殺害していたこと、などはあまり知られていない。
ガス室で大量に殺害した後、金歯を抜き取ったという話は有名だが、女性の毛髪がすべて再利用されていたことや、いかに短期間で大量の人間を殺すかという研究が真面目に続けられていたことなど、目を覆うようなショッキングなシーンも多い。入れ墨をしている囚人の皮を剥いでブックカバーや手袋を作っていたなどという現実の話を聞き、その映像をみると、人間の罪深さに唖然とせざるをえない。前作は歴史を学び生き方を学ぶうえで大いに勉強になったが、続編は気の弱い人は気分が悪くなるような映像も多いから、要注意・・・。
2010(平成22)年11月4日記