桜姫(日本映画・2013年) |
<テアトル梅田>
2013年7月5日鑑賞
2013年7月6日記
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監督:橋本一
原案:四世鶴屋南北『桜姫東文章』
桜姫(名門吉田家の娘)/日南響子
風鈴お姫/日南響子
権助(ワケあり稼業の男)/青木崇高
お七(白菊丸)(「ぢごくや」の遊女No.1)/麻美ゆま
お夏(「ぢごくや」の遊女)/平間美貴
おまん(「ぢごくや」の遊女)/星野あかり
おせん(「ぢごくや」の遊女)/七海なな
おサン(「ぢごくや」の遊女)/マリエム・マサリ
越後屋宗兵衛(「ぢごくや」の客)/HIRO(安田大サーカス)
清八(「ぢごくや」の客)/クロちゃん(安田大サーカス)
吉田左門(桜姫の父親)/野々村真
長浦残月(侍)/平山祐介
春琴(桜姫の琴の師匠)/風祭ゆき
宅悦(遊郭「ぢごくや」の経営者)/徳井優
定吉(謎の男)/合田雅吏
清玄(落ちぶれ坊主)/でんでん
鴉女/周防ゆう
剣進/奥深山新
2013年・日本映画・95分
配給/S・D・P
◆ モデルから女優へと変身した日南響子は、19歳で主演を果たした本作で、「お姫さま」から「遊女」に堕ちるヒロインを体当たりで熱演!興味深いのは、その「堕落」が強制的なものではないこと。つまり、高家の名門・吉田左門(野々村真)が溺愛する一人娘・桜姫から、場末の遊郭「ぢごくや」の遊女・風鈴お姫への「転身」は、すべて彼女の自発的なものだったことだ。ある夜、屋敷内で音もなく侵入してきた、ワケあり稼業の男・権助(青木崇高)に襲われた桜姫は、なぜか身も心もこの男に魅かれてしまったから大変!そこで桜姫は、恋い焦がれるその男と再会するため自ら進んで遊女に身を落とし、夜な夜な過ごす客に「釣鐘の入れ墨をした男を捜してほしい」と頼んで回ったわけだ。しかして、そんな2人の再会は・・・?
本作は江戸時代を代表する狂言作者・四世鶴屋南北が63歳にして生み出した歌舞伎作品『桜姫東文章』を原案とするものだが、そんな古典のイメージとは裏腹に、日南響子の大胆なポーズのチラシに目が釘付け!そのため、こりゃ必見!そう思って映画館に出かけたが・・・。
◆ 本作で日南響子は、青木崇高をお相手に①ノーマル、②ショッキングピンクと喘ぎ声、③逆光とBGMという3パターンの「濡れ場」を熱演しているが、期待に反してそれらはあまりにも上品すぎ。これでは「ベッドシーンに体当たり熱演!」とは到底言えないのでは?冒頭にみる桜姫の高貴さ・上品さと、「ぢごくや」に堕ちた遊女・風鈴お姫との対比が本作最大のポイントなのだから、私としてはもっともっと日南響子を堕としてほしかったが・・・。
それに対して、麻美ゆまの方は「裸を見せるのが私の仕事!」とばかりに裸プロレス、張り型凶器等々、橋本一監督の要求に何でも応じているから、その女優根性は大したものだ。もっとも、この程度のものなら今ドキわざわざ金を払って映画館に行かなくても、Hビデオでいくらでも観られるのでは・・・?
◆ 橋本一監督は本作で①スジが通った映画“ではない”ものを目指したそうだし、②映画館で息をつめて「今、俺はやばいものを見てる!」っていうあの感じを再現したかった、そうだ。たしかに、その狙いは①風鈴お姫に、「ぢごくや」の遊女No.1の地位を奪われた麻美ゆま演ずるお七のポルノまがいの熱演、②日南響子と麻美ゆまとの泥んこレスリング、③でんでん演ずる落ちぶれ坊主・清玄の再三の怪演、等々で貫徹している。しかし「ぢごくや」に飾られているタコの姿や、お夏(平間美貴)、おまん(星野あかり)、おせん(七海なな)、おサン(マリエム・マサリ)たち個性豊かな(?)遊女たちの水かけシーンなどはそれなりに面白いと思ったものの、後半からクライマックスシーンにかけて次々と登場してくるギャグ受け狙いのシーンには、いい加減うんざり。いくら低予算のB級映画だからといって、ここまでアホバカバラエティーの延長みたいな演出をしなくてもいいのでは・・・。
2013(平成25)年7月6日記