LIFE!(アメリカ映画・2013年) |
<GAGA試写室>
2014年1月28日鑑賞
2014年1月29日記
ショートコメントのとおり。
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監督:ベン・スティラー
脚本:スティーヴン・コンラッド
ウォルター・ミティ(雑誌『LIFE』の社員)/ベン・スティラー
シェリル・メルホフ(経理部の同僚の女性)/クリスティン・ウィグ
エドナ・ミティ(ウォルターの母)/シャーリー・マクレーン
テッド・ヘンドリックス/アダム・スコット
オデッサ・ミティ/キャスリン・ハーン
ショーン・オコンネル(冒険家の著名カメラマン)/ショーン・ペン
トッド・マハール/パットン・オズワルト
20世紀フォックス映画配給・2013年・アメリカ映画・115分
◆ 私は夢と現実を区別することができない人間をあまり評価することができないが、そんな人間は小説や映画の主人公としては面白い存在。本作の原作になったのは、ジェームズ・サーバーの『虹をつかむ男』だが、今は時代が変わってしまっているから、本作を監督し主演したベン・スティラーは「夢の世界」としてどんな世界を?
それが本作のポイントだから、「本物」にこだわったアイスランドでの撮影など、その「夢の世界」を楽しみたい。もっとも、「瞬間移動」の特殊能力を備えた男を主人公にした『ジャンパー』(08年)も世界を股にかけた死闘が見ものだったが、その行動は奇想天外というより荒唐無稽だった(『シネマルーム19』412頁参照)から、この手の映画は私にはイマイチ・・・。
◆ 本作の主人公は雑誌『LIFE』の写真管理の仕事をしている地味な男ウォルター・ミティ(ベン・スティラー)だ。いるいる、こんな男。どこの職場にも・・・。写真や映画の世界がフィルムからデジタルに変わったのと同じように、書籍や雑誌の世界でも今やアナログからデジタルへ切り替わってしまったから、人間の手作業で写真のネガの管理をしていた仕事はすべてデジタル化されることに。すると、ウォルターのような男は、真っ先にお払い箱?
現実にも、「グラフ雑誌」と言われていた週刊誌の『LIFE』は1936年に創刊号が発行されたが、1967~70年頃が最盛期で、1972年12月29日に通算1862号で休刊することに。本作では、そんな会社の改革(?)と人員のリストラを推し進めるのは新しいボスのテッド(アダム・スコット)だが、『LIFE』最終号の表紙を飾る写真のネガが見つからない、とあっては、ウォルターのクビが飛ぶのは確実!さあ、ウォルターはいかに・・・?
◆ 『ナイトミュージアム』(06年)(『シネマルーム13』262頁参照)と 『ナイトミュージアム2』(09年)(『シネマルーム23』未掲載)の「ラリー役」で有名になったベン・スティラーは、「空想」が似合う男。本作をみると、そう思ってしまうが、『LIFE』の経理部の女性シェリル(クリスティン・ウィグ)に対してほのかな思いを寄せているウォルターの不器用な対応ぶりをみていると、ちょっとかわいそうになってくる。しかし、その分、「空想の世界」に入っていくと「何でもあり」だから、そりゃ強いもの。本作ではそんな「メリハリ」が見せどころだが、私の目には「メリハリ」というより、アンバランス・・・。
映画は便利な芸術だから、スクリーン上ではいくらでも、「現実から夢へ」「夢から現実へ」切り替えることができるが、これだけ違和感があってはちょっと・・・。それを差し引いたうえで、火山、ヘリコプター、厳寒の荒海、そしてアイスランドの氷、ヒマラヤの雪山等々でのウォルターの冒険を楽しめるかどうかが、本作の鑑賞のポイントだ。
◆ 本作全編を貫くテーマは、『LIFE』最終号の表紙を飾る写真のネガはどこに?ということ。そのキーマンは冒険家で著名なカメラマン、ショーン(ショーン・ペン)だが、彼は今どこに?『LIFE』の新しいボスから「今度会う時には必ずネガを渡せ」と約束させられたため、やむなくウォルターはショーンを捜す旅に出かけ、遂にヒマラヤの雪山の中でショーンと「遭遇」するが、ショーンは一体いつウォルターにそのネガを渡していたの?そんな「種明かし」を楽しむことができれば、その後ボスに対してネガを渡し、堂々とタンカを切るウォルターのカッコ良さも楽しむことができるはずだ。
しかして、本作ラストのお楽しみは、最終号の表紙を飾った写真には一体何が写っていたの?ということだが、それはあなた自身の目でしっかりと確認してもらいたい!
2014(平成26)年1月29日記