皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(イタリア映画・2015年) |
<シネ・リーブル梅田>
2017年6月4日鑑賞
2017年6月8日記
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監督・音楽・製作:ガブリエーレ・マイネッティ
エンツォ(チンピラ)/クラウディオ・サンタマリア
ジンガロ(闇組織のリーダー)/ルカ・マリネッリ
アレッシア(セルジョの娘)/イレニア・パストレッリ
セルジョ(エンツォが世話になった人)/ステファノ・アンブロジ
2015年・イタリア映画・119分
配給/ザジフィルムズ
◆本作のチラシには、次のようなうたい文句が躍ってる。すなわち、「イタリア本国で大ヒット!イタリア映画祭で話題沸騰!噂の快作が2017年春、遂に日本上陸!」「イタリア・アカデミー賞最多7部門受賞!噂の映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』待望の日本公開決定!」
また、チラシ全体のうたい文句は次の通りだ。
◆もちろん、私は永井豪氏(漫画家)のアニメヒーロー「鋼鉄ジーグ」は全く知らない。しかも、近時ますます増えている『スパイダーマン』『バットマン』『アイアンマン』等の「アメコミヒーローもの」にいい加減うんざりしている私は、ずっと本作を鑑賞しようかどうか迷っていたが、うまく時間調整ができたため、鑑賞することに。
◆「鋼鉄ジーグ」のキャラそのものを私は全く知らないが、本作は永井豪氏のアニメ「鋼鉄ジーグ」をそのまま映画化したのではなく、それにインスパイアされたガブリエーレ・マイネッティ監督が、自分のオリジナルな想像力で映画化したものらしい。その結果、冒頭から導入部にかけて、訳のわからないチンピラ(おっさん?)が、自分でも訳がわからないうちにスーパーヒーロー的な力を手にするストーリーが描かれていく。そのストーリー展開は、ある意味、なるほど、なるほど・・・。
◆そのおっさん、エンツォ(クラウディオ・サンタマリア)の力を、「鋼鉄ジーグ」のマンガの主人公である「司馬宙(しばひろし)」別名、「鋼鉄ジーグ」と評価してくれるのは、それなりの美女だが頭のいかれた女アレッシア(イレニア・パストレッリ)。エンツォは、ギャング間抗争で父親セルジョ(ステファノ・アンブロジ)を殺されてしまったアレッシアとひょんなことで腐れ縁ができた後、その関係がどんどん深まっていくが、そこで永井豪氏のマンガ「鋼鉄ジーグ」が大きな役割を果たすわけだ。なるほど、なるほど・・・。
◆「スーパーヒーローもの」では、必ず「敵方」が必要。本作のそれは、一方では超凶暴だが、他方でナルシスト的キャラを持った不思議な男ジンガロ(ルカ・マリネッリ)。さらにそこに、ジンガロのボス的存在となる別のマフィア(?)も絡んでくるので、アメコミものとは全く違うイタリア・マフィア的な色彩と凶暴さが本作の特徴となる。そのため、これまでのアメコミのヒーローものとは全く異質の「リアル感」があるので、そういうのが好きな人は本作にハマるかも・・・。
◆本作最大のテーマは、訳のわからないまま授かったスーパーヒーローになるための能力を、当初は力まかせのATM強盗に発揮し、その金を大好きなヨーグルトやポルノDVDの購入という「私的欲求」のために使っていたエンツォが、いつ、どのような形で自分の社会的使命に目覚めるかということ。しかして本作ラストにはやっと、偶然目撃した交通事故によって死にそうになっている子供を敢然と救出するシーンが登場する。ジンガロとの「最後の対決」の中でエンツォも一緒に死亡してしまったと世間では報道されていたが、この一件によって自己の社会的使命に目覚めたエンツォのその後は・・・?
本作ラストにはスパイダーマンやバットマンの誕生を彷彿させるシーンが登場するので、それに注目!もっとも、そんな次回作(?)が公開されても、私はもう映画館に観に行くつもりはないが・・・。
2017(平成29)年6月8日記