ろくでなし(日本映画・2017年) |
<ビジュアルアーツ大阪試写室>
2017年6月23日鑑賞
2017年6月27日記
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監督:奥田庸介
森永一真/大西信満
木内優子/遠藤祐美
ひろし/渋川清彦
木内幸子/上原実矩
遠山/大和田獏
由紀夫/毎熊克哉
久作/ヨウジヤマダ
2017年・日本映画・106分
配給/C・C・P
<ショートコメント>
◆今年3月5日の「おおさかシネマフェスティバル2017」で、事前情報がほとんどないまま観た『ケンとカズ』(16年)は、想像以上の面白さだった。それに対して、事前情報ではそれとよく似たテイストで、それ以上の面白さがあるように思えた本作は・・・?
◆本作で2人の主人公となる森永一真(大西信満)とひろし(渋川清彦)は、『ケンとカズ』の2人の主人公ケンとカズより少し年上だが、2人ともプレスシートで「馬鹿で、無様で、愛おしい。」と形容されているとおりの男。そんな男2人が繰り広げる「大いなる勘違いからはじまる危ない純愛映画。」はメチャ面白いだろう。私はそう期待したが、さて・・・?
◆若松孝二監督の『キャタピラー』(10年)で大西信満はすごい演技を見せたが、同作で共演した寺島しのぶは2010年ベルリン国際映画賞で銀熊賞(主演女優賞)を受賞した(『シネマルーム25』215頁)。また、大西信満が真木よう子と共演した、大森立嗣監督の『さよなら渓谷』(13年)(『シネマルーム31』24頁参照)は、第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞した。
本作では、その大西信満扮する一真が一途に愛する女・優子役を遠藤祐美が演じている。また、その妹でひろしの恋人となっている女子高生・幸子を上原美矩が演じているが、さてこの2人の女優の出来は・・・?この2人は本作で初めて見る女優なので大いに期待したが、さて・・・?
他方、ひろしが仕えるヤクザの親分・遠山を演じるのは、大和田獏。ヤクザなんて所詮ケッタイな奴が多いのは、ビートたけしが演じるヤクザを考えれば明らかだが、さて本作で大和田獏演じる遠山のキャラは・・・?大和田獏の演技は・・・?
◆山田洋次監督の『男はつらいよ』シリーズでは、渥美清演じるフーテンの寅さんのバカさ(加減)が最大のポイント。寅さんはたしかに馬鹿で愛おしいが、決して無様ではない。また、原則的に毎回マドンナ役を演じる女優を変えて作られる同作は、いつも大いなる勘違いからはじまる純愛映画だが、決して危なくはない。しかし、本作で2人の主人公となる一真とひろしのキャラは無様すぎる。また、恋愛面における2人の主人公の大いなる勘違いは危なすぎる。そのため、『男はつらいよ』のようにクスクス笑ながら観ることができない面が強すぎるから、いささか・・・?もっとも、あなたがそんな男の映画が好きなら、本作はきっと・・・。
2017(平成29)年6月27日記