PATERSON(アメリカ映画・2016年) |
<シネ・リーブル梅田>
2017(平成29)年9月5日鑑賞
2017(平成29)年9月8日記
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監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
パターソン(バス運転手・詩人)/アダム・ドライバー
ローラ(パターソンの妻)/ゴルシフテ・ファラハニ
ドク(バーの店主)/バリー・シャバカ・ヘンリー
メソッド・マン/クリフ・スミス
マリー(バーの客)/チャステン・ハーモン
エヴェレット(バーの客)/ウィリアム・ジャクソン・ハーパー
日本人の詩人/永瀬正敏
2016年・アメリカ映画・118分
配給/ロングライド
■□■ショートコメント■□■
◆公式サイトによれば、本作のストーリーは次の通りだ。
ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に芽生える詩を秘密のノートに書きとめていく。帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。そんな一見変わりのない毎日。パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いと共に描く、ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語。
◆昔、ダーク・ダックスが歌ったロシア民謡「一週間」があり、その歌詞は「月曜日は市場にでかけ・・・」だった。すると、本作もそれと同じようなもの?たしかにそうだが、歌では月曜日から土曜日までの生活にかなり変化があり、物語性があったが、本作はパターソンという町を舞台として、バス運転手兼詩人のパターソン(アダム・ドライバー)とその妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)を中心とする7日間の静かな生活が淡々と描かれていく物語。本作の狙いについて、脚本を書き監督したジム・ジャームッシュは、公式サイトで次の通り述べている。
『パターソン』は、ひっそりとした物語で、主人公たちにドラマチックな緊張らしき出来事は一切ない。物語の構造はシンプルであり、彼らの人生における7日間を追うだけだ。『パターソン』はディテールやバリエーション、日々のやりとりに内在する詩を賛美し、ダークでやたらとドラマチックな映画、あるいはアクション志向の作品に対する一種の解毒剤となることを意図している。本作品は、ただ過ぎ去っていくのを眺める映画である。例えば、忘れ去られた小さな街で機械式ゴンドラのように移動する公共バスの車窓から見える景色のように。
なるほど、なるほど・・・。
◆本作は新聞紙評でも概ね好評で、次のように絶賛されている。
「彼の毎日も判で押したように同じで、映画はそんな1週間を描くだけなのに、文句なしに楽しい。絶妙な魔術のような映画である」「小さなエピソードの数々が、夫婦の日常を豊かに織り上げる。平凡な人生の非凡さを軽妙洒脱に描くわけで、並みの手腕ではない」「ジャームッシュ独特のシンプルな表現は、この映画で幸福な円熟を見せている。思いが言葉になり、詩になっていく。その過程を見せる映画でもある」等。
また、ネット批評でも概ね好評だが、同時に「好き、嫌いが分かれるタイプの作品」だとする的確な指摘もある。まさにその通り。私は去る8月16日にDVDで観た『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』(15年)も長すぎて退屈だったし、『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』(16年)も迷った挙句、結局鑑賞しなかった。そう考えると、私はそもそも詩をテーマにした映画は少し苦手なのかも・・・。
2017(平成29)年9月8日記