オリエント急行殺人事件(アメリカ映画・2017年) |
<TOHOシネマズ西宮OS>
2017(平成29)年12月9日鑑賞
2017(平成29)年12月14日記
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監督:ケネス・ブラナー
原作:アガサ・クリスティー『オリエント急行殺人事件』
エルキュール・ポアロ(世界一の名探偵)/ケネス・ブラナー
エドワード・ラチェット(アメリカ人の富豪)/ジョニー・デップ
キャロライン・ハバード(未亡人)/ミシェル・ファイファー
メアリ・テブナム(家庭教師)/デイジー・リドリー
ドラゴミロフ侯爵夫人/ジュディ・デンチ
ピラール・エイストラバドス(宣教師)/ペネロペ・クルス
ヒルデガルテ・シュミット(侯爵夫人のメイド)/オリヴィア・コールマン
ゲルハード・ハードマン(教授)/ウィレム・デフォー
ドクター・アーバスノット(医者)/レスリー・オドム・Jr
ヘクター・マックィーン(ラチェットの秘書)/ジョシュ・ギャッド
ブーク(国際寝台車会社の重役)/トム・ベイトマン
エドワード・ヘンリー・マスターマン(執事)/デレク・ジャコビ
配給:20世紀フォックス映画/122分
■□■ショートコメント■□■
◆公式ホームページによれば、本作のイントロダクションは次の通りだ。
◆公式ホームページによれば、本作のストーリーは次の通りだ。
◆チラシによれば本作の登場人物は次の通りだ
しかして、本作の謳い文句は「乗客全員が容疑者―この冬“世界一の名探偵”ポアロがあなたを豪華列車での謎解きの旅にご招待!」
◆推理小説の好きな人なら誰でも、アガサ・クリスティーの代表作である『オリエント急行の殺人』を読んでいるだろうが、私はそれをいつ読んだか覚えていない。そのため、本作を楽しみにしていたが、本作はハッキリ言って難しすぎる。名探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)の推理力はもちろん尊敬するが、その尋問の仕方はイマイチ・・・。いくら名探偵でもここまで偉そうに尋問する権限が一体どこにあるの・・・?
ちなみに、本作を鑑賞した同じ日の夜、私は自宅のテレビで1974年版の『オリエント急行殺人事件』を見たが、そこでもポアロ探偵の大物ぶりは同じだった。もっとも、そこでは、映画冒頭でアームストロング誘拐事件のあらすじが紹介されていたから、それがオリエント急行内でのエドワード・ラチェットの殺人事件に如何なる関係があるのかというテーマが最初から提示されていたが、本作ではアームストロング誘拐事件の内容が犯人解明に至る過程の中で小出しにされるので、余計にわかりにくい。これではひょっとして、本作に限っては映画で観るより、一人でじっくり本を読みこんだ方が楽しいかも・・・。
◆「オリエント急行」がどこからどこまでを走っている長距離列車なのかは、小説や映画の中で明らかだが、それをスクリーン上で表現するについては、本作と1974年版では大きく違っている。このことは、同じ日に映画とテレビの両者で鑑賞したためよくわかった。
いかに高性能な列車でも、雪の中を走るのは大変。そのことは、ポン・ジュノ監督の近未来モノで列車モノの最高傑作のひとつ『スノーピアサー』(13年)(『シネマルーム32』234頁参照)をみれば明らかだが、それは脱線事故を起こしてしまう本作でも同じだ。もっとも、ヘタをすれば乗客全員が死亡してしまうほどの大事故になるはずだが、それでは映画にならないため、ちょっとした脱線でとどまったのはラッキー。しかし、それでも救援が来るまでのしのぎ方は大変だ。
もっとも、その時間が長ければ長いほど、殺人犯の特定に挑むポアロ探偵にはありがたいが、さてその時間的余裕はどれくらい・・・?
◆殺人事件の犯人は誰?単独犯?それとも共犯者がいるの?もしいるなら、それは一体ダレ?ポアロが犯人捜しをするについて、密室であるオリエント急行内にはたくさんの乗客が乗っていたから、その一人一人の尋問は大変。さらに、本作が面白くかつ複雑なのは、それらの乗客すべてが何らかの形で、あの、アームストロング誘拐事件に関係を持っているためだ。
ポアロ探偵に扮するケネス・ブラナーはもちろん、殺されるラチェット役のジョニー・デップをはじめとして、本作に登場する俳優はビッグネームばかり。そんな連中が基本的にポアロの尋問に対して嘘ばかりついているのだから、限られた時間内での真相究明はそりゃ大変。
しかして、あなたの推理はどう?ポアロの推理にどこまでついていけるの?また、本作の結論にどこまで納得できる?本作の鑑賞については、約2時間、頭をフル回転させることが不可欠だ。
2017(平成29)年12月14日記