「女の一生」(フランス映画・2016年) |
<シネ・リーブル梅田>
2018(平成30)年1月3日鑑賞
2018(平成30)年1月5日記
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監督:ステファヌ・ブリゼ
原作:ギィ・ド・モーパッサン
ジャンヌ(男爵家の一人娘)/ジュディット・シュムラ
ジャンヌの父(男爵)/ジャン=ピエール・ダルッサン
ジャンヌの母/ヨランド・モロー
ジュリアン(子爵、ジャンヌの夫)/スワン・アルロー
ロザリ(男爵家の女中)/ニナ・ミュリス
ポール(20歳、ジャンヌの息子)/フィネガン・オールドフィールド
配給:ドマ、ミモザフィルムズ/119分
■□■ショートコメント■□■
◆公式ホームページによれば、本作の「イントロダクション」は次の通りだ。
世界中で何度も映像化されてきた不朽の名作『女の一生』が、再び映画化された。時代も国も超え、1883年に刊行された古典文学の、何がそんなに私たちを魅了するのか──。
恋愛、結婚、出産、子育て、親を看取ること──。置かれる立場や状況は違えど、“女の本質”は、そうは変わ らない。こと世間知らずなお嬢様ジャンヌは、諸所のつまずきを真正直に、まともにかぶってしまう。だから濃いドラマが生まれる。濃いから面白く、目が離せない。
一方ジャンヌの夫ジュリアンをはじめ他の登場人物も、この現代でもたやすく見出せるほど、滑稽なくらいにリアルで人間臭い。また現代社会をも賑わせる“不倫”についても、どれほど多くの人が“道ならぬ恋”に陥るか、その代償の大きさも含め、古典という言葉のイメージを覆す過激な展開をみせ、観る者の度肝を抜く。古典文学の格調高さと普遍性に、予想を超えた劇的な展開が差し込まれる。それが、『女の一生』の魅力の1つでもあろう。
◆公式ホームページによると、本作のストーリーは次の通りだ。
男爵家の一人娘として生まれ、17歳まで修道院で教育を受けた清純な娘、ジャンヌが親元に戻る。親の勧める子爵ジュリアンと結婚し、希望と幸福に胸躍らせ人生を歩みだしたかに見えたジャンヌだったが、乳姉妹だった女中のロザリが妊娠、その相手が夫ジュリアンであることを知る。夫の度重なる浮気、母の死、溺愛した息子ポールの裏切りと・・・ジャンヌに様々な困難がふりかかる。
◆私は有名な世界文学全集の1冊であるモーパッサンの『女の一生』を読んでいなかったことを、本作を観て改めて確認。しかし、本作を観て、恋愛、結婚、出産、子育てを中心に描かれたモーパッサン流の「女の一生」が「バカ女の一生」であることをはじめて確認した。ジャンヌ役を演じた女優(ジュディット・シュムラ)は、本作で17歳かtら40代後半までを特殊メイクの力を借りずに自然に演じきったそうだが、ジャンヌは若いときも馬鹿なら、母親になってからもかなりの馬鹿。これでは、いかに19世紀のフランスとはいえ、如何なもの・・・?
◆19世紀のフランスにおける子爵とはいえ、貧乏貴族の男ジュリアン(スワン・アルロー)の浮気を今の時代と同じように「不倫」と呼ぶかどうかは知らないが、まずは本作前半の、ジュリアンと乳姉妹ロザリ(ニナ・ミュリス)との「不倫」をめぐるドタバタ劇のバカバカしさにうんざり。さらに後半では成長したジャンヌの息子ポール(フィネガン・オールドフィールド)が見せる事業欲とその失敗、そして金の無心ぶりにうんざり。また、この母子間の手紙の無内容さにもうんざりだ。
その挙げ句、本作のラストはポールとポールの愛人との間に可愛い子供が生まれていることを見せて、「人生って悪いものではない」ときたが、そんなバカな・・・。なぜ本作がヴェネツィア国際映画祭2016で、国際批評家連盟賞を受賞できたの?私にはその理由がさっぱりわからないが・・・。
2018(平成30年)年1月5日記