ザ・フィースト(アメリカ映画・2006年) |
<ホクテンザ1>
2008年4月29日鑑賞
2008年4月30日記
マット・デイモン&ベン・アフレックのプロデュースという情報だけで観に行ったが、完全に失敗!映画は脚本が勝負だが、こんな「化け物」映画では興ざめするばかり・・・?そのテイストは『ミスト』(07年)と同じだが、違うのは「化け物」があまりにも気色悪いこと!そして、『ミスト』のあっと驚くヒネリがないこと!あ~、時間のムダだった・・・。
本文はネタバレを含みます!!
それでも読む方は下の「More」をクリック!!
↓↓↓
ここからはネタバレを含みます!!
読まれる方はご注意ください!!
↓↓↓
監督:ジョン・ギャラガー
脚本:パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン
製作:マット・デイモン、ベン・アフレック、ウェス・クレイヴン
ボス(バーの経営者)/デュエイン・ウィテカー
タフィ(シングルマザーのウエイトレス)/クリスタ・アレン
コーディー(タフィの息子)/タイラー・パトリック・ジョーンズ
老年のバーテンダー/クルー・ギャラガー
ハニー・パイ(もう一人のウエイトレス)/ジェニー・ウェイド
コーチ(ハニーを口説き落とそうとした客)/ヘンリー・ロリンズ
まぬけ野郎(車椅子の少年の兄)/バルサザール・ゲティ
車椅子の少年/ジョシュ・ザッカーマン
酒屋/ジュダ・フリードランダー
ヒーロー(ショットガンを持った血まみれの男)/エリック・デイン
ヒロイン(ヒーローの妻)/ナヴィ・テワット
2006年・アメリカ映画・86分
配給/アートポート
◆ 『グッド・ウィル・ハンティング』(97年)の共同脚本で1997年度アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞したマット・デイモンとベン・アフレックは、今やハリウッドを代表する大スターに成長した。
以下、チラシとネットからの情報だが、そんな2人が設立したのがライブ・プラネット社。そして、ライブ・プラネット社がプロデュースする人気リアリティーショーが『プロジェクト・グリーンライト』。これは、一般公募から選ばれた脚本が、映画として完成するまでをドキュメンタリーとして放送する人気テレビ番組。そんな『プロジェクト・グリーンライト』から飛び出した超ド級のモンスター・パニック映画が、低予算で製作されたこの『ザ・フィースト』とのことだ。
◆ そんな低予算のB級映画だから、出演するのはB級俳優ばかり・・・?また監督も新人・・・?すると脚本は・・・?いやいや、そんなことはないはず・・・?
さらに、2006年製作のこんなB級ホラー映画を大阪で上映するのは、例によって(?)天六のホクテンザ1館のみ。とはいっても、時々傑作にお目にかかることがあるので、たまたま時間が空いたためホラー映画嫌いの私も観にいったのだが、結果は、正直言って時間のムダ!登場人物が多すぎてその整理がつかないワ、スクリーンが揺れ動きすぎて何が起きているのかわかりづらいワ、バカバカしい会話にイライラさせられるワ、と散々・・・?
◆ 08年3月12日に観た『ミスト』(07年)は、大嵐が襲った田舎町にあるスーパーマーケットの中に閉じこめられた買い物客たちが、霧の中に現われたある化け物によって襲われるホラー映画だった。これに対し『ザ・フィースト』は、テキサスの広大な荒野にある一軒の酒場の中に閉じこめられた店主やバーテンダー、ウエイトレスたちそして店に集う個性豊かなお客たちが、正体不明の「化け物」に襲われる映画で、そのつくり方はよく似たもの。しかし、『ミスト』では化け物の正体が後半明確になるのに対し、『ザ・フィースト』の方は最後までボンヤリとしたままの、実に気味悪い物体・・・?
『ソウ4』(07年)の脚本をつとめたパトリック・メルトンとマーカス・ダンスタンが本作の脚本としてデビューしたとのことだが、『ソウ4』の出来とはえらい違い・・・?
◆ 『ミスト』でもそうだったが、『ザ・フィースト』を観ると、フロンティア精神に富むアメリカ人は、それまで誰も経験したことのない未曾有の危機に直面しても、ユーモア心とチャレンジ魂を失わず現実に立ち向かっていく国民性だということがよくわかる。つまり、映画の冒頭における1人1人のプロフィール紹介(?)でわかるそれぞれの個性が、「化け物」と対決する中で色濃く出てくるわけだ。しかして、その中の多くは積極果敢に化け物にチャレンジしていくから偉いもの。
ちなみに、西部劇では女性は戦闘要員とはならず、あくまで保護されるべき対象とされているが、現代のアメリカは男女平等が徹底しているため、軍隊における女性戦闘員が当然視されているように、酒場の中にこもる女性たちのファイティング・スピリットもすごい。残念ながら1人の女性は化け物の犠牲にされてしまうが、結局最後にあの化け物を腕づくでやっつけてしまうのは、息子コーディー(タイラー・パトリック・ジョーンズ)を殺されたシングルマザーのタフィ(クリスタ・アレン)だ!
決してお薦め作ではないが、何かのはずみでこの映画を観た人は、そんな現代アメリカの女性パワーをしっかりと・・・。
2008(平成20)年4月30日記