LAW DE SHOW [34] 『ぼくの大切なともだち』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2008年6月掲載分
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あなたには親友がいますか?
「あなたの葬式に、何人の友達が来てくれる?」「親友はいる? 誰なの?」
主人公のフランソワ(F)は、美術商の共同経営者カトリーヌ(C)の思いもかけぬ言葉にムキになり、「賭けるか? 10日で親友を紹介する」とつい口走る。ここからおしゃれな大人の「友人論」が始まる。
賭けの商品が『トロイ』(2004年)で描かれたアキレスとパトロクルスとの友情を示す「親友の死を嘆いた男が涙をためて墓に安置した」壺、というのがいかにもフランス流かつ哲学的で奥深い。Fにこの壷を持つ資格があるか? それが映画のテーマでもある。
ここで多くの観客は、「私の親友は?」と友人の顔を思い浮かべるはず。もし誰も思い浮かばなくても、Fの振り見て我が振り直せば大丈夫。
Fの「親友巡り」が徒労に終わる様子は喜劇か悲劇か微妙だが、捨てる神あれば、拾う神あり。クイズ王を目指すタクシー運転手ブリュノ(B)がFの親友に。そこでFは“あるひどい方法”でBが親友であることの「証明」を、Cに見せる。賭けに勝ったFは得意満面だが、友情を賭けの対象とされたBのFへの思いは壺と共に粉々に。大切なものは失って初めて気付くもの。他方、真の友情は許し合えるもの!
今、BはFの段取りしたフランス版『クイズ・ミリオネア』の晴れ舞台に。勝ち進むBが、最後の問題でライフラインに呼び出したのはF。待ち構える難問はF得意の美術ジャンル。BとFとの間に友情の復活と再構築はあるのだろうか?
壺を壊したBが言い放つ「流した涙はどこにある?」や「愛はお金で買えるが、友情は決して買えない」という大テーマを味わいたい。そして観賞後は、あなたの友達と友情の確認をしっかりと!
通常版の評論もぜひどうぞ!! ⇒ 『ぼくの大切なともだち』