ゾンビ・ストリッパーズ(アメリカ映画・2008年) |
<ソニー・ピクチャーズ試写室>
2008年9月22日鑑賞
2008年9月22日記
アダルト界の女王がゾンビに!そんな「新種」がゾンビ・ストリッパーだが、さてその魅力のほどは・・・?ブッシュ政権も4期目。戦線の拡大による慢性的な兵力不足の解消策は、何と死人の再活用!なるほど、そりゃ妙案だが、ホントに大丈夫・・・?たまには、こんなB級映画で頭を空っぽにしてみては・・・。
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監督・脚本:ジェイ・リー
キャット(人気ストリッパー)/ジェナ・ジェイムソン
イアン(ストリップ・クラブ“ライノ”のオーナー)/ロバート・イングランド
2008年・アメリカ映画・94分
配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
<「新種」ゾンビに注目!>
最近やたらゾンビ映画が多い。例えば、『ゾンビ3D』(06年)、『ゾンビーノ』(06年)『REC/レック』(07年)、『デイ・オブ・ザ・デッド』(07年)等々だ。ちなみに、直近で私が試写予定としているのは『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(08年)。
私がこれらの作品を見逃していたのは、概ねこれらのゾンビの活躍ぶりについて想像がつくという理由によって、優先順位を低くおいていたため。しかし、『ゾンビ・ストリッパーズ』という新たなゾンビについては全然想像がつかないから、こりゃ観ておかなくっちゃ。
ところで、『ゾンビ・ストリッパーズ』って、どんな新種ゾンビ・・・?
<ジェナは、日本でいえば一条さゆり?それとも小林ひとみ?>
この映画でゾンビ・ストリッパーとなるキャットを演ずるジェナ・ジェイムソンは、ストリッパーとしてプロの舞台を踏んでいるうえ、100本以上のアダルト作品に出演しているという、「アダルト界のスーパースター」らしい。こりゃ、日本で言えば、さしずめ一条さゆり?それとも小林ひとみ?ちなみに、21世紀の今、日本における「アダルト界のスーパースター」は一体ダレ・・・?
それにしても、『アダルト界のスーパースター』と聞いて一条さゆりや小林ひとみの名前がすぐに浮かんでくる私は、やはり還暦を間近に控えた団塊世代のスケベおやじ・・・?
<日本式VSアメリカ式、どちらが?>
この映画で観るアメリカ式ストリップは、ポールダンスというスタイルのもの。『クローサー』(04年)はジュリア・ロバーツとジュード・ロウの2大俳優に若手美人女優のナタリー・ポートマンが絡んだ映画だったが、ここでのナタリー・ポートマンの役がストリッパー(『シネマルーム7』144頁参照)。この映画で見事な演技を見せたナタリー・ポートマンはアカデミー賞助演女優賞等にノミネートされたが、それはやはり色っぽく踊るポールダンスの魅力が高く評価されたため・・・?
もっとも、日本男児たる私としては、下に小さい下着をつけたままオッパイ丸出しで腰をくねらせて踊るだけのポールダンスにはそれほど魅力を感じないし、興奮もしない。やっぱり大阪の十三ミュージックや九条OSさらに京都のDX東寺等で昔から続いている、日本式のあのストリップの方が・・・?
<ホラー界を牽引する男、とは?>
ジェナ・ジェイムソンが「アダルト界のスーパースター」なら、キャットを含むたくさんのストリッパーを抱える場末の違法ストリップ・クラブ“ライノ”のオーナーであるイアンを演ずるのはロバート・イングランド。私はその方面を詳しく知らないが、ロバート・イングランドは『エルム街の悪夢』(84年)のフレディ・クルーガー役で世界的に知られており、「ホラー界を牽引する男」らしい。
そんな男だから、人気NO1ストリッパーのキャットが感染してゾンビになっても、あらためてゾンビ・ストリッパーズとして男たちの熱い視線を集め、お札が舞い散ればご満悦のようだ。しかしゾンビ・ストリッパーズと化したキャットの人気が高まると、キャット以外のストリッパーたちもゾンビ・ストリッパーズを志したばかりか、熱狂的な観客たちは次々とゾンビ・ストリッパーズの犠牲になっていったから大変。
こんなにゾンビが繁殖したら、一体どうなるの・・・?
<Z部隊にも注目!>
この映画の導入部では、数名の精鋭で編成された「Z部隊」が研究所の中に投入されていく姿が描かれる。彼らの役割は、研究所の中に発生したゾンビ退治だが、その闘いの中で1人の兵士がゾンビに噛まれてしまったから大変。感染した者は射殺しなければならないことを知っているこの兵士がとった行動は、その場からの逃走だ。
そんな導入部の次に訪れるのが、この兵士が逃げ込んだストリップ・クラブ“ライノ”。そこでは、キャットをはじめとするストリッパーたちが次々と悩ましいポールダンスを披露していたが、まずキャットがその兵士の犠牲に・・・。
Z部隊の面々は濃いキャラで構成されており、導入部だけではなくまとめ部分でも再度登場し、その実力をいかんなく発揮するから、キャットとイアンだけではなく、Z部隊にも要注目!
<時代設定は面白いが・・・>
この映画の時代設定は、アメリカの近未来。この時、ブッシュ政権は4期目に突入していた。現在アメリカは、アフガン方面とイラク方面で「世界の憲兵」としての役割を果たしているが、ブッシュ政権4期目では、さらにあっちこっち(その場所は、あなた自身で考えてもらいたい)に介入していた。
そこで問題は慢性的な兵力不足。そんな状況下で研究・開発されたのが、アメリカ軍とW産業による死人を甦らせる伝染力の強い極めて危険なウイルスの共同開発だ。こりゃ便利。これなら、いくら戦線が拡大してもアメリカの「世界の憲兵」としての役割はいささかも揺るがないはず。理論的にはそうだったが、某研究者の手によってそのウイルスが研究所内で蔓延してしまったから大変。さあ、その後の事態の展開は?
こんな時代状況の設定は、『バイオハザード』シリーズや『28日後...』(02年)や『28週後...』(07年)を彷彿させるシリアスで面白いものだが、そんな私の期待と裏腹に(?)、以降B級映画への途をまっしぐら・・・?
<後はあなた自身の目で・・・>
この映画のポイントは、ゾンビ・ストリッパーと化したキャットと、それによってゾンビ・ストリッパー・クラブとなって熱狂的なファンを集客したストリップ・クラブ“ライノ”の行く末。オーナーのイアンがしこたま儲けていたのはまちがいないが、問題はホリエモンこと堀江貴文と同じように、それがいつまで続くのかということ。だって、キャットを目指して次々と増殖していくゾンビ・ストリッパーたちが、集まってきた男たちに次々と噛みついていくのだから、ゾンビが雪だるま式に増えていくのは当然。そんなバカバカしい展開(?)の中、次第に迫ってくるバカバカしい結末(?)とは?
そんな、2人の美女(?)によるゾンビ・ストリッパー対決を含むストーリー展開とその結末は、あなた自身の目で・・・。
2008(平成20)年9月22日記