LAW DE SHOW [73] 『フロスト×ニクソン』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2009年4月掲載分
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ウォーターゲート事件から何を学ぶ?
1977年に全米4500万人、全世界4億人が目撃したのが、ニュースショー司会者、デビッド・フロスト(F)と米国唯一途中辞任した大統領リチャード・ニクソン(N)とのTV史上最高のトークバトル。日本では田中角栄とロッキード事件をテーマとした映画を作っても観客動員はムリだが、米国ではウォーターゲート(WG)事件追及劇がアカデミー賞候補になるのだから、民主主義健在ナリ!
弁論術と説得力が政治家の命なら、インタビュー番組司会者は追及術が命。すると、英国でトーク番組を持つだけの軟弱なFではNのWG事件の追及など到底ムリ? 法外なギャラを払ったのはこの成功で全米進出するためだったが、勉強より資金集めに忙しいFを見て参謀たちがそう思ったのは当然だ。
不意打ち的に録音テープ問題を持ち出したが、完璧に反論されてギャフン。「カンボジア侵攻は誤りでは?」と切り込んでも、「もっと早く侵攻していればもっと多くの米兵を救えた」と逆に説得。得意の外交問題ではNの独り舞台。これでは金を払ってNを宣伝してやっているだけ?
TVカメラが捉えた橋下徹知事の涙は「知事をいじめるな!」の声を集め、中川昭一前財務相の酩酊姿は辞任に直結した。政治家の表情を映し出すカメラは容赦ないから、今や太郎も一郎も最低の表情だが、勝ち誇るNの表情は? 攻守ところを変えたのは、Nが最終回直前にFに架けた「私は君にとって手強い敵になる」との挑発的な電話から。これに闘志を燃やしたFが入手した新証拠とは? Fの最終回の追及に一瞬たじろぐN。史上最高の視聴率の中、Nの苦渋の表情をカメラはいかに捉えるの? そして遂に引き出したNの言葉とは?
TVカメラの威力と怖さをあらためて実感しながら、WG事件の本質とその主役の人間性に迫り、今の政治に生かしたい。
通常版の評論もぜひどうぞ!! ⇒ 『フロスト×ニクソン』