LAW DE SHOW [91] 『嗚呼 満蒙開拓団』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2009年8月掲載分
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あの総括を今こそ!
8月15日は太平洋戦争敗戦から64年の記念日。それに向けて、多くの若者がキョトンとする題名のドキュメンタリーに83歳の羽田澄子監督が挑戦! それは、今残さなければ! 今伝えなければ! の思いからだ。
現在の“問題児”は北朝鮮だが、1930年代のそれは大日本帝国。32年の満州国建国、33年の国際連盟脱退、37年の盧溝橋事件を経て大陸への侵攻=日中戦争が始まったが、満蒙開拓団とは? 当時のスローガン大東亜共栄圏とは? 日・漢・朝・満・蒙の各民族による五族共和とは? 本作を機にそんな勉強をしっかりと。
①72年の田中角栄と周恩来の握手による日中国交正常化の実現②81年以降中国残留孤児の来日と肉親探し開始③01年以降中国残留邦人による国家賠償請求訴訟の広がりと終結④07年改正中国残留邦人支援法の成立─以上で残留邦人問題はホントに解決? 否。今こそあの時代の総括が必要だ。
旅順、大連、奉天(瀋陽)、新京(長春)、ハルピンは有名だが、黒竜江省方正県は誰も知らないはず。監督が目を向けたのは、そこに唯一ある日本人の共同墓地。なぜ中国人が開拓団難民のためにお墓を? それは周恩来首相の「日本人民も開拓民も日本軍国主義の被害者」との判断から。本作が集めた老人たちの生々しい証言から見えてくる真実は重い。
映画は冒頭、キラキラと輝く目を持つ青少年義勇軍の姿を描く。さらに「大陸の花嫁」も多数満州へ。そんな彼らがソ連軍の侵攻の前に直面した悲惨な現実とは? ここにみる関東軍の体たらくが、溶解寸前の自民党の姿とダブって見えるのは私だけ?
8月8日は張藝謀監督の演出が世界をアッと驚かせた北京五輪開会式の1周年。そんな夏の一日、本作からあの時代を振り返り日中友好のあり方を熟考したい。さらにそんな総括の上に、月末の清き一票を!
通常版の評論もぜひどうぞ!! ⇒ 『嗚呼 満蒙開拓団』