SOMEWHERE(アメリカ映画・2010年) |
<角川映画試写室>
2011年1月25日鑑賞
2011年1月26日記
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監督・脚本:ソフィア・コッポラ
ジョニー・マルコ(映画スター)/スティーヴン・ドーフ
クレオ(ジョニーの娘)/エル・ファニング
サミー(ジョニーの友人)/クリス・ポンティアス
2010年・アメリカ映画・98分
配給/東北新社
◆ ハリウッド映画には大金をかけたド派手なものもあれば、こじんまりとした心温まる父と娘の物語もある。それを、フランシス・フォード・コッポラ監督の娘であるソフィア・コッポラ監督が自分の体験談を踏まえながら(?)スクリーン上に表現したのが本作。2010年の第67回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品と聞いて「こりゃ必見!」と思ったが、残念ながら私には意外に退屈・・・。
◆ 離婚した前妻と一緒に暮らす11歳の娘クレオ(エル・ファニング)の父親はハリウッドの映画スター、ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)だから、現在彼はフェラーリを乗り回しながら、LAのホテル「シャトー・マーモント」で暮らしていた。毎日パーティーに出かけ、女を部屋に連れ込んでいるが、その華やかさとはウラハラに心の中は空虚そう。それでもマネージャーの指示どおりきちんと俳優としての仕事をこなしているのは立派だが、そんな中でたまに娘と過ごす時間は彼にとってホントに貴重なひとときらしい。離婚した妻の都合もあってクレオと一緒にイタリアでの授賞式に赴くことになったジョニーは嬉しそうだが、さてイタリアでのひとときは?
◆ クレオを演ずるエル・ファニングは『アイ・アム・サム』(01年)(『シネマルーム2』125頁参照)で一躍有名になったダコタ・ファニングの妹。そんな1998年生まれの彼女も今やすっかり成長し、前半でみせるフィギュア・スケートのシーンでは浅田真央レベルには及ばないが、えらくカッコいい演技を見せてくれる。また、ハリウッドスターの父親の周りにいつも女がいるのは当たり前と覚っている(?)こともあり、クレオは思春期の娘にもかかわらずジョニーの奔放な生活ぶりには意外に寛容?イタリアの映画祭で主演男優賞を受賞するほどの有名な映画スターでありながら、不安定に揺れ動く心の中を表現してくれるスティーヴン・ドーフの演技とともに、本作では11歳の娘ながら大人の世界とうまく協調していくエル・ファニングの演技が見モノだ。
◆ プールつきのスウィートルームで過ごしたイタリアでの生活は互いに楽しかったようだから、逆にLAに帰り別れなければならない時がくると・・・。
ジョニーの「傍にいなくてゴメン」との言葉はヘリコプターの音にかき消されてしまったが、たまらず「こっちに来れないか?」と別れた妻に電話をしてみると・・・?
◆ 父と娘の心のヒダを細かく観察したのは、さすが女流監督ソフィア・コッポラ。こんな映画が好きな人にはおすすめだ。最も私の推測では、第67回ベネチア国際映画祭で審査員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督が本作を推したのは、本作が自分の作る映画とは全く違うテイストだったため?まあ、「隣の花は赤く見える」のは世の習いだが・・・。
2011(平成23)年1月26日記