幸せの教室(アメリカ映画・2011年) |
<角川映画試写室>
2012年4月4日鑑賞
2012年4月5日記
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監督・製作:トム・ハンクス
脚本:トム・ハンクス、ニア・ヴァルダロス
ラリー・クラウン(スーパーのベテラン従業員)/トム・ハンクス
メルセデス・テイノー(短期大学の教師)/ジュリア・ロバーツ
ディーン・テイノー(メルセデスの夫、作家)/ブライアン・クランストン
ラマー(ラリーの隣人)/セドリック・ジ・エンターテイナー
ベラ(ラマーの妻)/タラジ・P・ヘンソン
タリア(女子学生)/ググ・バサ=ロー
デル・ゴード(タリアの恋人)/ウィルマー・ヴァルデラマ
フランシス(中年の学生)/パム・グリア
マツタニ教授(経済学の教授)/ジョージ・タケイ
2011年・アメリカ映画・98分
配給/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
◆ ジョージ・クルーニーは『スーパー・チューズデー 正義を売った日』(11年)でアメリカ大統領選挙の内幕を暴くエンタメ作品を監督・脚本・製作・出演したが、それに対抗するかのようにトム・ハンクスはジュリア・ロバーツをお相手に心温まる人間ドラマを監督・脚本・製作・出演!
◆ ある日突然ラリー・クラウン(トム・ハンクス)が勤務先の大手スーパーからリストラされた理由は、大学を出ていないラリーにはこれ以上の出世はムリだからというもの。妻とは離婚し1人暮らしの自由な立場とはいえ、販売員の前は海軍のコックという経歴しかない中年男の再就職は難しい。隣人のラマー(セドリック・ジ・エンターテイナー)から「知識は武器になるから教育を受けろ」とアドバイスされたラリーは、地元のコミュニティ・カレッジ(短期大学)に入学し、自分を変えようと決意。彼が受講したのは、メルセデス・テイノー先生(ジュリア・ロバーツ)のスピーチ学と、マツタニ教授(ジョージ・タケイ)の経済学。さて、そこにはどんなキャンパス生活と新たな人間関係が待ち受けているの?
◆ 経済学の講義はかなりユニークだが、真面目に勉強すれば役に立ちそう。しかし、メルセデスは夫である売れない作家ディーン・テイノー(ブライアン・クランストン)とのトラブルをモロに授業に持ち込んでいるから、最悪。しかしそれでも、少しずつ努力していると・・・。
ラリーのキャンパス生活を楽しくしてくれたのは、スクーター軍団のボス、デル・ゴード(ウィルマー・ヴァルデラマ)の彼女であるタリア(ググ・バサ=ロー)と経済学の授業で仲良くなったこと。センスのいいタリアのラリー改造プロジェクト(?)によって、ダサかった中年男のラリーも少しずつ洗練されていったから不思議なもの。そして、少しずつ自信が回復していったラリーは、ある時ついに・・・。
他方、夫と最悪の状態に陥ったメルセデスの方も気の利いたラリーのフォローによって少しずつ元気を回復。その根本的要因は、ラリーがメルセデスとのある秘密を厳密に守ってくれたこと。すると、メルセデスも次第にラリーに対して好意を・・・?
◆ 内向き志向を強める日本だけではなく、アメリカも不況色が漂い、失業中の中年男は生きにくい世の中になっている。しかしトム・ハンクス監督はあくまで前向きに人間の善意を信じて本作を監督したようで、ラリー役をイキイキと演じている。他方、ジュリア・ロバーツも『プリティ・ウーマン』(90年)当時の輝きはもはやないが、ユーモアを漂わせながら中年女の悲哀と再生をうまく表現している。特別の出来ではないが、中年男と中年女の心温まる再生物語として、星3つを。
2012(平成24)年4月5日記