ポンペイ(アメリカ、カナダ、ドイツ映画・2014年) |
<GAGA試写室>
2014年4月8日鑑賞
2014年4月31日記
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監督・製作:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ジェネット・スコット・バチェラー、リー・バチェラー、マイケル・ロバート・ジョンソン
マイロ(剣闘士)/キット・ハリントン
アウレリア(カッシアの母)/キャリー=アン・モス
カッシア(ポンペイの有力者の娘)/エミリー・ブラウニング
アティカス/アドウェール・アキノエ=アグバエ
プロキュラス(マイロの仇敵)/サーシャ・ロイズ
セヴェルス(カッシアの父)/ジャレッド・ハリス
コルヴス(元老院議員)/キーファー・サザーランド
アリアドネ(カッシアの侍女)/ジェシカ・ルーカス
ベラトール/カリー・グレアム
ルクレティウス/ジャレッド・ハリス
フラヴィア/パス・ベガ
グラエカス/ジョー・ピングー
ギャガ配給・2014年・アメリカ、カナダ、ドイツ合作映画・105分
◆私はエドワード・ブルワー=リットンの小説『ポンペイ最後の日』を小学校5~6年生の時に読み、大いに感激したことをよく覚えている。西暦79年に起きたヴェスヴィオ火山の爆発によって、火山灰に埋もれて消滅してしまったローマ帝国の町ポンペイは、18世紀半ばから発掘が続けられ、当時の人々の生活の一部がそのままの姿で保存されている。ポンペイの町は一瞬にして5mを超える火砕流に飲み込まれたため、男女の交わる姿がそのまま残されているものもあるそうだ。『ポンペイ最後の日』は、1926年、1935年、1948年、1960年と4度にわたって映画化されているが、今回の『ポンペイ』はどうもあの小説とは全く違うストーリーらしい。
◆ローマ帝国を代表するものの一つが、グラディエーター(剣闘士)だ。そして、グラディエーターを主人公にした名作の代表は、第73回アカデミー賞作品賞を受賞するとともに、ラッセル・クロウが主演男優賞を受賞した『グラディエーター』(00年)だが、近時は阿部寛主演のパロディ映画(?)『テルマエ・ロマエ』(12年)、『テルマエ・ロマエⅡ』(13年)も大ヒットしている。グラディエーターが命をかけて闘うコロシアムはローマにあったはずだが、本作によれば、本作の美しきヒロイン、カッシア(エミリー・ブラウニング)の父セヴェルス(ジャレッド・ハリス)が統治するポンペイの町にもあったらしい。もっとも、本作の主人公は北ブリタニア(現在のイギリス)に住んでいた、ケルト騎馬民族唯一人の生き残りであるマイロ(キット・ハリントン)。本作導入部では、彼がなぜ今ローマ帝国の奴隷になり、かつグラディエーターになっているかが語られるから、まずはそれに注目!
◆ポンペイ滅亡の日は歴史的に明かな事実だから、それをテーマにした映画ではヴェスヴィオ火山の噴火、大地震、そして大津波のシーンをいかにスクリーン上で表現できるかが最大のポイントになる。2011年の3.11東日本大震災直後では、クリント・イーストウッド監督の『ヒア アフター』(10年)(『シネマルーム26』123頁参照)の上映すら中止されたくらいだから、本作の上映はあり得なかったはず。それが3年後の今は堂々と上映できるのは、やはり東日本大震災も次第に風化し始めたため・・・?
それはともかく、本作では最先端VFXで描く映画史上空前の噴火、地震、津波のスペクタクルシーンを堪能したい。
◆シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』は、モンタギュー家とキャピュレット家の単純な「対立」から生まれた単純な「純愛悲劇」だが、『ポンペイ最後の日』は身分違いの恋のほか、「キリスト教の布教」というテーマも含んだエンタメ小説。しかも、そのラストは『ポンペイ最後の日』というタイトルにもかかわらず、ある意味ハッピーエンドだった。
カッシアが予定より早くローマからポンペイの父母の元へ戻ってきたのは、カッシアを我がものにしようとするローマの元老院議員コルヴス(キーファー・サザーランド)の魔の手を逃れるため。そんなカッシアと奴隷で剣闘士のマイロが、互いに一目惚れするのが本作のストーリーの軸だが、その恋の成就が困難もしくは不可能なことは最初から明らかだ。ポンペイのコロシアムでは、今やマイロと、いつの間にかその親友になった百戦錬磨の大男アティカス(アドウェール・アキノエ=アグバエ)との「世紀の対決」が迫っていたが、他方で、ヴェスヴィオ火山の噴火の予兆が次々と・・・。
コルヴスの闘技開始宣言とともにポンペイ市民の熱狂は頂点に達したが、さあ、その目の前でくり広げられる死闘の行方は?そして、マイロとカッシアの恋の行方は・・・?
2014(平成26)年4月17日記