ドクトル・ジバゴ(アメリカ、イタリア・1965年) |
<大阪ステーションシティシネマ>
2016年7月18日鑑賞
2016年7月20日記
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監督:デヴィッド・リーン
原作:ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』
ユーリー・ジバゴ(医師、詩人)/オマー・シャリフ
ラーラ(パーシャの妻)/ジュリー・クリスティ
トーニャ(ジバゴの妻、ジバゴの育ての親であるグロメーコ夫妻の娘)/ジェラルディン・チャップリン
コマロフスキー(弁護士、ラーラの母の愛人)/ロッド・スタイガー
エフグラフ・ジバゴ将軍(ジバゴの異母兄)/アレック・ギネス
パーシャ(学生運動の活動家、ラーラの夫)
ストレーリニコフ将軍(革命軍の幹部)
アレキサンドル・グロメーコ(科学者、ジバゴの育ての親、ジバゴの父の友人、トーニャの父)/ラルフ・リチャードソン
アンナ・グロメーコ(ジバゴの育ての母親、トーニャの母)/シオバーン・マッケンナ
トーニャ・コマローバ(ダムの工事現場で働くジバゴとラーラの娘)/リタ・トゥシンハム
アメーリア・ギシャール(仕立屋、ラーラの母)/エイドリアン・コリ
/クラウス・キンスキー
/ジェラール・ティシー
1965年・アメリカ、イタリア映画・197分
配給/MGM
◆本作が公開され、私が松山市内の映画館で鑑賞したのは1966年。今から50年前の17歳の時だが、その時の感動を今でもハッキリ覚えている。また、その後ラジオからテープに録音した『ラーラのテーマ』を、何度も何度もくり返し聴いたこともよく覚えている。『アラビアのロレンス』(63年)で見たオマー・シャリフは特徴的な顔だからすぐにわかったし、本作ではじめて見たラーラ役のジュリー・クリスティの美しく、いかにも意思の強そうな顔立ちにも、たちまちクラクラきたものだ。
そんな3時間17分の感動作を、わずか1100円の料金で見ることができた「午前十時の映画祭」に感謝!
◆トルストイ原作の『戦争と平和』は、世界文学全集の代表作。したがって映画では、オードリー・ヘップバーン主演のハリウッド版の他、リュドミラ・サベリーエワ主演のソ連版の超大作がある。しかし、1958年にノーベル文学賞を受賞した、ソ連の詩人で作家のパステルナークはソ連では反革命文学者とみなされ、『ドクトル・ジバゴ』は発禁本とされていたから、ソ連でのその映画化は到底無理。
国外に秘かに持ち出され、1957年にイタリアで出版されて評判を呼んだ同作に目をつけ、映画化権を獲得したイタリア人のプロデューサーが、ハリウッドのMGMと製作したのが本作だ。そして、その監督は『アラビアのロレンス』のデヴィッド・リーン。
◆本作を見れば、ロシア革命という激動の時代の中、医師、詩人として生きた主人公ジバゴの生きザマ、そして、革命家の夫を持ちながらも不思議な縁でジバゴと結ばれた女性ラーラの生きザマのすごさがよくわかる。ロシア革命の嵐が吹き荒れたあの時代、詩や文学を愛し、革命よりも個人を重視するジバゴのような人間が生きていくのが大変なことは明らかだ。もちろん、ジバゴとラーラの愛も今で言う「不倫」だが、あの動乱の時代にあっては、その激しさと美しさにうっとり。ラーラの「もっと前に逢いたかった。平和だったころに」というセリフには涙が出そうになる。
何ゴトも緩やかかつ曖昧になっている今の映画と比べて、50年前の超大作の激しさと素晴らしさを痛感!
2016(平成28)年7月20日記