ミモザの島に消えた母(フランス・2015年) |
<テアトル梅田>
2016年7月30日鑑賞
2016年8月2日記
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監督:フランソワ・ファヴラ
原作:タチアナ・ド・ロネ『ブーメラン』
アントワーヌ(兄)/ローラン・ラフィット
アガット(妹)/メラニー・ロラン
アンジェル(アントワーヌの恋人、死化粧師)/オドレイ・ダナ
シャルル(アントワーヌとアガットの父)/ウラディミール・ヨルダノフ
ブランシュ(シャルルの母、アントワーヌとアガットの祖母)/ビュル・オジエ
アンヌ=ソフィー/アンヌ・ロワレ
アストリッド/アンヌ・スアレ
ベルナデット(祖母の家の元家政婦)/リーズ・ラメトリー
マルゴ(アントワーヌの長女)/アンジェル・ガルニエ
ジャン/ケイト・モラン
クラリス(アントワーヌとアガットの死亡した母)/ガブリエル・アジェ
ローズ/ローズ・ファブラ
ポーリーヌ/ルー=アン・オペロン
精神科医/エリック・エブアニー
2015年・フランス映画・101分
配給/ファントム・フィルム
◆兄アントワーヌ(ローラン・ラフィット)、その妹のアガット(メラニー・ロラン)の母親クラリス(ガブリエル・アジェ)は、30年前に「ミモザの島」で溺死したらしい。しかし、子供の時からその死について不審に思っていたアントワーヌが、父親のシャルル(ウラディミール・ヨルダノフ)や祖母のブランシュ(ビュル・オジエ)にその点を聞いても、彼らは頑なに口を閉ざすばかり。しかして、今や40歳になり、二人の子供もいるアントワーヌは、アガットの反対を押し切り、その真相究明に乗り出すことに・・・。
本作の原作は『サラの鍵』(11年)(『シネマルーム28』52頁参照)の原作者タチアナ・ド・ロネのベストセラー小説だそうだが、母親の死を巡る真相究明は、いかなるミステリードラマといかなる家族のドラマを生むことに・・・?
◆人工島の上に作った関西国際空港へは、電車と車が通る一本の通路「関西国際空港連絡橋」がある。これは台風の時などに不通になることがあるが、水没してしまうことはありえない。しかし、フランス西部の海岸にある ノアールムーティエという離島には、本土から一本の通路が通っているものの、満潮時にはその道路は水没してしまうらしい。したがって、サイレン告知はあるものの、かなり危険だ。
この島にはミモザの花が咲くため、別名「ミモザの島」と呼ばれているらしい。なるほど、本作のタイトルはそんなところから・・・。
◆「百聞は一見にしかず」のことわざ通り、ある日、妹のアガットと共に車を駆って故郷の島を訪れたアントワーヌは、昔を覚えている島民から少しずつ証言を集めていくことに。また、車に乗せた妹と言い争っている時に、イライラして無茶な運転をしたことによって重大な交通事故を起こしてしまったアントワーヌは、以降妹に頭が上がらなくなってしまったが、たまたま死化粧師の女性アンジェル(オドレイ・ダナ)と知り合ったことによってその後の調査が進むことに。
しかして、少しずつ明らかになってくる、あっと驚く真実とは?
◆ネタバレ覚悟でその結論だけを言うと、それは、第1に母親クラリスとある女性との同性愛の存在、第2に、家族の対面を重んじて、それを絶対秘密にしなければならないと考えた祖母の「ある行動」だ。しかし、「決断」を下したのはクラリスも同じだったから、姑の要らざるおせっかいによってその決断の邪魔をされたクラリスは、その後いかなる行動を・・・?
なるほど、こりゃ、クラリスの夫が、またシャルルの母親が「家族の恥」と考えて絶対的秘密にしたのもわからないではないが、大人になったアントワーヌやアガットたちに対して、いつまでも絶対的秘密にしておくべきなの?そこらあたりは難しい問題だが、あなたはそんな本作のミステリー性と人間ドラマをどう考える?
2016(平成28)年8月2日記