パーソナル・ショッパー(フランス映画・2016年) |
<TOHOシネマズ西宮>
2017年5月13日鑑賞
2017年5月17日記
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監督:オリヴィエ・アサイヤス
モウリーン(パーソナル・ショッパーの女性)/クリステン・スチュワート
インゴ(モウリーンの雇い主の愛人)/ラース・アイディンガー
ララ(死んだ双子の兄ルイスの元妻)/シグリッド・ブアジズ
キーラ(モウリーンの雇い主のセレブ)/ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン
アーウィン(死んだ双子の兄ルイスの親友、ララの新しい恋人)/アンデルシュ・ダニエルセン・リー
2016年・フランス映画・105分
配給/東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
<ショートコメント>
◆本作のタイトルになっている「パーソナル・ショッパー」とは、忙しいセレブに代わって洋服やアクセサリーを買い付ける仕事のことだが、一見華やかそうに見えるその仕事の収入は?また働き甲斐は?
安倍総理の下で「働き方改革」が進む日本では、まだまだそんな仕事は認知されていないが、ファッション業界の華やかなフランスでは、そんな仕事もあり。『トワイライト』シリーズで大ブレイクした女優クリステン・スチュワートが、そんな新たな「職場」で働く現代女性モウリーン役をかなり固めの演技(?)で演じているので、それに注目!
後述のとおり、本作は「死者との交信」がテーマになるため、「色気」は極力抑えているが、ごく一部のみクリステン・スチュワートがしっかりその方面のサービスをしてくれる(?)ので、私のような中年(老年?)おやじは、それにも注目!
◆弁護士が依頼者の預り金に手を付けるのが厳禁なのと同様、パーソナル・ショッパーが雇い主のために購入した洋服や靴、アクセサリー、下着等を身に付けるのは厳禁のはず。ところが、飛び抜けたセンスで完璧にパーソナル・ショッパーの仕事をこなしていたはずのモウリーン(クリステン・スチュワート)も3カ月ほど前に最愛の双子の兄ルイスが亡くなった悲しみから立ち直れないでいる中、携帯に届く「ある男」とのメッセージでの会話を続けているうち、なぜか雇い主キーラ(ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン)の洋服や靴を使ってでも「別人」になりたいとの秘めた欲望に火がつくことに。
なんじゃ、それは・・・?しかして、本作は、2016年の第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した映画だが、『パーソナル・ショッパー』という興味深いタイトルは、別の死者の霊との交信という大テーマが優先していくことに・・・。
◆現代の若者にとって今やスマホは不可欠なツールだが、そのスマホに誰かわからない人物から頻繁にメールが入ってくると・・・?しかも、その内容が本人の行動の一部始終を把握していることを前提としたものなら・・・?それは、ストーカーの域を越えた犯罪の領域だから警察への届け出が不可欠だが、本作では、「死者との交信」を信じるモウリーンが、それを死亡した双子の弟からの送信ではないかと考えるところがミソ。しかして、本作ではスマホ上に表示されるメールの文章と、それを見て頻繁に返事を打ち返すモウリーンの姿が登場するが、ハッキリ言って、これはかなり退屈・・・。
モウリーンの気持ちの中に不安な気持ちが広がっていくことはよくわかるが、そんな風にイチイチ返事し対応していたのでは、かえって事態をややこしくするだけであることは明白だが・・・?
◆本作中盤は頻繁に始まるメールのやりとりがストーリーの中核となり、それがその後のキーラの殺人事件につながっていく。そして、その犯人がキーラの愛人インゴ(ラース・アイディンガー)であったこと、モウリーンに頻繁にメールを送りつけていたのもこのインゴであったことが判明していく。
しかし、私にはそんなストーリー展開と、「死者の霊との交信」がいかなる関係にあるのかハッキリしないうえ、キーラとインゴとの問題点やインゴの犯行の動機もイマイチはっきりしない。そのため、私にはその展開がミステリー映画としてもオカルト映画としても、とにかく中途半端な感じに・・・。
◆もっとも、本作がかなり退屈だったのは、私がオカルト現象にあまり興味がないため、私がその程度の理解でしか本作を観ていなかったためらしい。ネット上で本作のネタバれあり情報を集めてみると、すごく深い感想があった。それは、大滝めゐ氏のブログ「日々の泡」の「【映画】『パーソナル・ショッパー』感想(ネタバレあり)」だが、その分析はすごい。これを熟読したうえで、本作を再度真剣に鑑賞すれば、私の採点も星4つか5つになっていたかも・・・。
2017(平成29)年5月17日記