ジオストーム(アメリカ映画・2017年) |
<TOHOシネマズ西宮OS>
2018(平成30)年1月21日鑑賞
2018(平成30)年1月25日記
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監督・脚本・製作:ディーン・デブリン
ジェイク・ローソン(エンジニア 兄)/ジェラルド・バトラー
マックス・ローソン(エンジニア 弟)/ジム・スタージェス
サラ・ウィルソン(ジェイクの恋人 大統領のシークレットサービス)/アビー・コーニッシュ
レナード・デッコム(大統領の秘書官)/エド・ハリス
アンドリュー・パルマ(アメリカ大統領)/アンディ・ガルシア
配給:ワーナー・ブラザース映画/109分
■□■ショートコメント■□■
◆公式ホームページによれば、本作の「イントロダクション」&「ストーリー」は次の通りだ。
ある日、気象コントロール衛生が暴走を始めた――。
度重なる異常気象、頻発する自然災害。この深刻な事態に世界はひとつとなり、「気象コントロール衛星」を開発。全世界の天気は精巧なシステムで完璧に管理され、人類は永遠の自然との調和を手に入れたかに思えた。
ところが!ある日突然、衛星が暴走を始めた!
リオデジャネイロが寒波に、香港が地割れに、ドバイが大洪水に、そして東京も・・。この星をすべて破壊し尽くさんばかりの、想像を絶する空前絶後の巨大災害が次々勃発。
なぜ!?いったい地球はどうなる!?
この地球滅亡の危機を受け、科学者ジェイクは、再び人類の英知を信じて仲間の待つ宇宙ステーションへと飛び立った――。
ジオストームとは、地球規模の同時多発災害のこと。それが、ひとたび起これば、人類は滅亡する。
ハリウッドの最先端技術で、実際の最新データに基づき、もし巨大破壊が起こったら?という極限の危機管理シュミレーションを展開。竜巻、氷結、熱波・・臨場感あふれるハイパーリアルな映像は、圧巻のド迫力で観る者に瞬きすら許さない。人工衛星の暴走という斬新な設定のもと、宇宙規模で壮大なドラマが展開する。
◆また、公式ホームページによれば、本作の5人の主役の顔写真は次の通りだ。
◆かつて『インディペンデンス・ディ』(96年)や『ディ・アフター・トゥモロー』(04年)(『シネマルーム4』84頁参照)、『ヒアアフター』(10年)(『シネマルーム26』123頁参照)等の、いわゆる「ディザスター(災害)映画」や「パニック映画」が大ヒットしたが、これは地球温暖化などの行きつく先として「地球滅亡の危機」が現実化していることの裏返し・・?それらの映画の多くでは、地球絶滅という危機の下、アメリカ大統領の指導力を中心に団結し、何とか危機を克服する姿が描かれていた。
1995年1月17日の阪神淡路大震災や2011年3月11日の東日本大震災は日本にとっては未曾有の大災害だったが、世界的規模でみれば局地的で小さな災害。しかし、本作にみる世界各地の大災害をみると、それはすごいし、地球規模の同時多発災害であるジオストームになると、そのものすごさは・・・?
◆本作では、「気象コントロール衛星(ICSS)」が開発されたことによって全世界の天気は精巧なシステムで完璧に制御され、人類は永遠の自然との調和を手に入れたかにみえたそうだが、それは米中を中心とする世界の力によるものであったことに、まずは注目。さらに本作では、ある日突然衛星が暴走を始めたことがテーマになるので、誰でもそれは人類の制御できない何らかの外敵要因だと思うはずだが、実は・・・。
◆本作ではジオストームの危機が迫る中、「気象コントロール衛星」の開発者である兄のジェイク・ローソン(ジェラルド・バトラー)と、問題児の兄に代わって、今やシステム管理の責任者になっている弟のマックス・ローソン(ジム・スタージェス)との兄弟愛と兄弟間の確執が描かれるから、それに注目!そればかりか、本作後半では更にアメリカ大統領アンドリュー・パルマ(アンディ・ガルシア)とその秘書官レナード・デッコム(エド・ハリス)との確執も・・・。しかし、それって一体何?ジオストームの危機が迫る中、アメリカ内部での大統領の椅子を巡る権力争いが、なぜ出てくるの・・・?
ジオストームというディザスター(災害)映画にそんな2つの人間ドラマを絡めたところが本作のミソだが、さてその成否は・・・?
◆「気象コントロール衛星」は人間が作りだしたものだから、日常的な保守点検が必要だし、いつかどこかに何らかの故障が生じるのも仕方ない。そのため、目の前に起きているちょっとした現象は全世界の人々はもちろん、ジェイクもマックスもちょっとした故障だと思っていたが、兄弟間の確執をはらみながらその原因を調べていくと、実はそこには人為的な原因が・・・。しかし、それが「ウィルス」によって気象コントロール衛星の「誤作動」を仕組み、多くの人的犠牲を伴うアメリカ大統領選挙を巡る策謀だとすると・・・。
トランプ大統領の就任2年目を迎えたアメリカでは、現在いわゆる「ロシア疑惑」がどこまで解明されるかが最大の焦点だが、本作におけるアメリカ大統領の椅子を巡る確執はそれ以上の大問題。現職大統領が与党である民主党の党大会で演説するのは晴れの舞台だが、本作に見る、そこに仕組まれた謀略とは・・。
本作が「ジオストーム」というタイトルとは全く異質の、そんな生々しい人間の欲望の映画になっていることにびっくりだが、これはちょっとひねりすぎなのでは・・・?
2018(平成30)年1月25日記