キングスマン:ゴールデン・サークル(イギリス映画・2017年) |
<TOHOシネマズ西宮OS>
2018(平成30)年1月21日鑑賞
2018(平成30)年1月25日記
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監督:マシュー・ヴォーン
ハリー(英国スパイ機関キングスマンのエージェント)/コリン・ファース
ポピー・アダムス(ゴールデン・サークルのボス)/ジュリアン・ムーア
エグジー(英国スパイ機関キングスマンのエージェント)/タロン・エガートン
マーリン(エグジーの恋人)/マーク・ストロング
ジンジャー(米スパイ機関ステイツマンの一員)/ハル・ベリー
テキーラ(米スパイ機関ステイツマンのエージェント)/チャニング・テイタム
エルトン・ジョン(本人役)/エルトン・ジョン
配給:20世紀フォックス映画/140分
■□■ショートコメント■□■
◆公式ホームページによれば、本作の「イントロダクション」は次の通りだ。
表の顔はロンドンの高級テーラー。その実態は、どの国にも属さない世界最強のスパイ機関だった!全世界が熱狂した『キングスマン』から2年。イギリスから世界に飛び出して、キレッキレの超絶アクションも、ギミック満載のスパイ・ガジェットも、常識破りのパワーアップ!
一流スパイに成長したエグジーを演じるタロン・エガートンや、メカ担当、マーリンのマーク・ストロング。そして、なんと前作で死んだと思われたコリン・ファース演じるハリーが驚きの復活!
前作メンバーはそのままに、アメリカの同盟スパイ機関、ステイツマンのメンバーに、チャイニング・テイタム、ハル・ベリー、ジェフ・ブリッジス。新たな敵、ゴールデンサークルのボス、ポピーにジュリアン・ムーアなど、超個性的な新キャラクターを加えて、アカデミー賞俳優を4人を含む超豪華キャストが集結。さらに世界のポップスター、エルトン・ジョンまで怪演を披露!監督は、“映画ファンを裏切らない監督”として定評のあるマシュー・ボーンが続投。アメリカ他各国でNo.1大ヒットを記録して、またもや世界をブッ飛ばした最新作がやってくる!
◆公式ホームページによれば、本作の「ストーリー」は次の通りだ。
世界的麻薬組織、ゴールデン・サークルの攻撃により壊滅したキングスマン。残された2人、エグジーと、メカ担当のマーリンは、バーボン・ウイスキーの蒸留所を経営するコテコテにアメリカンな同盟スパイ機関:ステイツマンと合流。さらに、彼らの前には、死んだはずのハリーまで現れる!
一方、上品な見た目に反して超サイコなゴールデンサークルのボス、ポピーは、世界中の麻薬使用人を人質にした驚愕の陰謀を始動させていた。果たして、エグジーの前に現れたハリーの秘密とは?そして一流エージェントに成長したエグジーは、敵の陰謀を阻止することができるのか!?
◆スパイ映画にも「シリアスもの」と「活劇もの」の2種類があるが、本作は「活劇もの」の典型。『裏切りのサーカス』(11年)(『シネマルーム28』114頁参照)のようなシリアスものの傑作を生んだイギリスで、『キングスマン』(14年)が公開されたのには驚いたが、映画は何でもありと考えている私は、同作に星5つを付けた(『シネマルーム37』213頁参照)。
同作はコリン・ファース演じる先輩スパイのハリーと、ハリーが見出した若き才能、エグジー(タロン・エドガー)との「師弟もの」で、全世界で4億ドルを稼ぐメガヒットをうたっていたが、その第2弾となる本作では、弟子だったエグジーが完全に独り立ち。ハリーはかなり微妙な立場(?)に立つことに・・。
本作でも後半には新旧の師弟コンビが大活躍をみせるのでそれに注目だが、その相手、「キングスマンの敵」となる、麻薬を中心とする「悪の組織」とは?また、その親玉は・・・?
◆『007シリーズ』は全24作まで続いているが、そこでは主役のジェームズ・ボンドとともに、敵役の「スペクター」等も注目の的となった。しかして、本作に登場する「キングスマンの敵」は、名女優ジュリアン・ムーアが演じる女ボスのポピー・アダムス。その本拠地はカンボジアのジャングル内に置いているという設定だ。冒頭から、にこやかに微笑みながら、エグいことを命じるポピーの非常さが強調されているので、それに注目。
また近時、政治的、外交的、軍事的に退潮著しい英国ではスパイの人材も枯渇しているらしい。そのため本作には、カウボーイ風の米国人スパイ、テキーラ(チャニング・テイタム)も登場するので、そのキャラと役割にも注目。もっとも、「活劇もの」のスパイ映画もここまでくると、私が子供の頃に観ていた人気テレビ番組『てなもんや三度笠』風のキャラの競い合いになるため、わかりやすいけれども馬鹿馬鹿しさも・・・。
◆本作では、ハリーとエグジーの活躍によって「麻薬問題を中心とする危機の解決」はできたものの、キングスマンのために働いてきた某スパイが死亡してしまったため、次の任務の遂行には更なる人員の補充が不可欠になる。そこで本作のラストでは本部で事務作業を担っていた女キングスマン候補のジンジャー(ハル・ベリー)が立候補し、それが認められることになる。すると、「駄作」になってしまった感が強い本作においても第3作の制作=シリーズ化が決定・・?しかし、EU離脱を表明した英国では現在メイ首相が懸命の舵取りをすすめているが、近時英国の孤立化と脱力感は強まっていくばかり。そんな時代状況の中、『キングスマン』のシリーズ化のようなくだらないこと(?)をやっていて、英国はホントに大丈夫?
中国は『戦狼2』(17年)を作って1000億円を稼いだが、『キングスマン』シリーズではいくらヒットしてもしれているし、英国の権威を世界的に高めるには程遠いのでは・・・。
2018(平成30)年1月25日記