LAW DE SHOW [6] 『中国の植物学者の娘たち』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2007年12月掲載分
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禁断の愛の果ての運命は?
医者を両親にもつ戴思杰(ダイ・シージエ)監督は、文化大革命の動乱(1966─76年)の中、山中の寒村に「下放(かほう)」されたが、文革終了後、30歳にしてパリ留学を実現。そこで学んだフランス文学から生まれた名作が、鳳凰山に響きわたるバイオリンの音と中国四大女優の一人周迅(ジョウシュン)のつぶらな瞳が印象的だった『小さな中国のお針子』(2002年)だ。
そんな彼の新作のテーマは、何と美しい娘たちの禁断の同性愛!
昆林も明麗も架空の都市だが、これが雲南省の省都昆明、世界遺産の麗江、広西チワン族自治区の桂林を想定していることは明らか。吉行淳之介原作の『砂の上の植物群』(1964年)もエッチな映画だったが、ベトナムやラオスに近い異国情緒タップリの美しい植物園の中での同性愛の展開にはそれとは全く異質のときめきを覚えるはず。
厳格な植物学者を父に持ち愛に飢えていたアンが、実習生としてやってきたミンとの間で、中国ではタブーとされている同性愛にのめり込んでいったのは必然で説得力がある。また、華奢な中国美女アンと豊満なフランス系「自立する女」ミンの対照が絶妙で、蛇のように絡みつく二つの清楚な裸体は絶品!
物語は二人だけの楽しくも妖しい蜜月の時期を超え、アンの兄とミンとの結婚とその破たん、そして秘事の露見と進むが、その果てに待ち受ける残酷な運命とは?そして二人の愛の誓いの結末は?
同性愛の女性が父親の殺害容疑で死刑宣告を受けたという三面記事にヒントを得たという構想が、上質な絵画のような美しさでスクリーンいっぱいに。おしゃれで夢のような、それでいて過酷な禁断の愛の物語に、しばし浸ってみては?