LAW DE SHOW [7] 『エンジェル』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2007年12月掲載分
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ケータイ小説全盛に異議アリ
12月4日に発表された2007年の書籍年間ベストセラーでは、女子中高生が愛読するケータイ小説が文芸部門のベスト3を独占、ベスト10に5作が。そこで「純文学関係者は、“ケータイ小説を文章がつたなく、ストーリーも型にはまりがち”と異端視してきたが、その動向は無視できなくなりつつある」と報じられた。
『エンジェル』は、20世紀初頭、これと同様のロマンス小説を書き続けて一世を風靡した流行作家の生きざまを描いた映画。貧乏で孤独な少女時代のエンジェルの武器は豊かな想像力。人間の想像力は無限だから、その発露が一発当たれば後は頭の中に浮ぶ情景を文章化すればいいだけ。またたく間に彼女はその想像力とペンの力によって富と名声を手に入れ、ついに恋までも。
天衣無縫ですべてに前向きなエンジェルの姿は実に魅力的。深紅のドレスもカッコよく、少女の頃に夢見た豪邸パラダイスを手に入れた彼女の幸せは今や絶頂。しかし、それが真の実力か、それとも単なる流行なのか、それが大問題!
他方、彼女が愛し結婚した画家エスメは専門バカの典型。頑固な彼の作品は、ゴッホやモジリアーニと同様、生存中の評価は低かった。しかし21世紀の今、エンジェルには誰も興味を示さず既に忘却のかなただが、孤高の画家だったエスメの作品は?
軽薄短小な小説とその映画が大ヒットしているうえ、大阪市長選に続いて府知事選挙もまた、人気投票になってしまいそうな今、この映画の問題提起をしっかりと受け止めたいものだ。