燃えよ!ピンポン(アメリカ映画・2007年) |
<GAGA試写室>
2008年2月18日鑑賞
2008年2月19日記
北京オリンピックを意識したアメリカが、卓球大国の中国に挑戦状・・・?アメリカ代表だったかつての天才少年ランディは、今どこでナニを・・・?また、復活したランディは、どこで、誰と対決を・・・?型破りなストーリー展開とCGを駆使したハチャメチャなピンポンシーン、そしておバカなギャグが売りモノのこんな映画に、ひょっとしてあなたはハマるかも・・・?なお、マギー・Qの健康的なお色気とカンフーもお見逃しなく・・・。
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監督・脚本:ロバート・ベン・ガラント
ランディ・デイトナ(88年の米オリンピック代表)/ダン・フォグラー
フェン(極悪人、ランディの宿敵)/クリストファー・ウォーケン
マギー(ワン師匠の姪)/マギー・Q
ロドリゲス(FBI捜査官)/ジョージ・ロペス
ピート・デイトナ軍曹(ランディの父)/ロバート・パトリック
カール・ウルフシュターク(旧東ドイツの卓球選手)/トーマス・レノン
ワン師匠(盲目の中国人のピンポン・マスター)/ジェームズ・ホン
2007年・アメリカ映画・90分
配給/東北新社
<導入部は1988年のソウルオリンピックから>
2008年8月8日に始まる北京オリンピックにおいて、卓球は中国が国威をかけて金メダルを狙っている競技。日本の福原愛らも頑張ってはいるが、金メダルは到底ムリ・・・?ところがさらに、ダメなのはアメリカ勢。あのスポーツ大国アメリカが、なぜか卓球においてはオリンピックで過去1度もメダルを獲得したことがないわけだ。そのため、ハリウッドは卓球と真剣に向かい合おうとしなかった(?)が、2008年開催の北京オリンピックを控えた今、監督、脚本のロバート・ベン・ガラントはそんな歴史に待ったを!
そんなコメディ映画の冒頭は、今から20年前、1988年のソウルオリンピックのシーン。アメリカ国民の期待を一身に背負った12歳の天才卓球少年ランディ・デイトナは、今アメリカ合衆国代表として出場し、東ドイツ代表のカール・ウルフシュターク(トーマス・レノン)と対決しようとしていた。幼少の時からランディの卓球のコーチとなったのは父親のピート・デイトナ(ロバート・パトリック)。しかし、この尊敬している父親が、闇の組織を相手に栄えあるオリンピックの試合で賭けをしていると知った時、ランディ少年の戦いへの集中度はプッツン。
その結果、ランディ少年は何とも無惨な姿を全米の国民に示すことに・・・。そのうえ、この賭けに負けたことによって、父親はフェン(クリストファー・ウォーケン)が指揮する恐ろしい組織によって殺害されてしまうことに・・・。
ここまでが、かなりシリアス(?)な導入部。それが終わり、19年後の今、12歳だったランディ少年も今はメタボな体型となり(ダン・フォグラー)、場末のカジノでピンポンの曲芸を披露して生計を立てていた。さて、ここから始まるハチャメチャな物語は・・・?
<さすがアメリカ!こんな映画にまでFBIが・・・>
FBIとは連邦捜査局だが、CIA(アメリカ中央情報局)とともにアメリカはもちろん日本でも有名な組織。ちなみに、若者に大人気の『DEATH NOTE(デスノート)(前編)』(06年)、『DEATH NOTE(デスノート) the Last name』(06年)やそれを受けた第3弾『L
change the WorLd』(08年)にも、なぜかFBI捜査官としてちょっと間抜けな人物が登場していた。
『燃えよ!ピンポン』というギャグ映画(?)には、ロドリゲス(ジョージ・ロペス)という一見ハードボイルド風だがちょっと間抜けな(?)FBI捜査官が登場する。ホントはそれでは困るのだが、彼は予備捜査官だからそのレベルでも仕方なし・・・?彼の任務は、フェンが5年に1度世界中の強豪を集めて開催する卓球トーナメントにランディを出場させること。そしてその真の狙いは、敵の懐深く入り込んでフェンを逮捕すること。しかして、この映画は単なるピンポンムービーの枠を超え、いかにもハリウッドらしく「悪に対し、断固として正義を行使するアメリカ」を強く印象づけることに。ホンマかいな・・・?
<頂上対決は・・・?>
何を隠そう、世界の強豪を集めたこのトーナメントを主催するフェンは、元中国代表の卓球選手だが、闇の組織のボスとして19年前にランディの父親を殺害した張本人。ランディもそんな奴を逮捕したい一心で(?)ロドリゲスの求めに応じ、血のにじむような特訓を経てやっとトーナメントに出場することができたのだが、その対戦相手は当然世界の強豪ばかり。そのうえヤバイのは、どうもこの試合はピンポンの勝敗を競うだけではなく、敗者必殺のデスマッチらしいということ。そういえばランディの側にはお飾りの美女ばかりではなく、吹き矢で瞬時に誰でも殺してしまうマホガニーというフェンの片腕の恐い女性が・・・。
ランディはよく健闘し、ついに決勝戦を迎えたが、何とその相手は、12歳の時に対戦したあの旧東ドイツのカール・ウルフシュターク。したがってこの頂上対決は、19年前の雪辱を期する最大かつ最後のチャンスだが・・・。
<クライマックス対決は・・・?>
このトーナメント戦をしっかり描けば、毎年大晦日に放映されるK-1をはじめとする各種格闘技戦と同じように面白いこと確実。しかし、それだけではおバカ映画としては面白くないと考えた(?)ロバート・ベン・ガラント監督は、ランディとカールの頂上対決とは異なる趣きのクライマックスを設定することに。
その前哨戦として登場したのは、潜入作戦がバレて捕まってしまったマギー。ランディとどちらかの命を賭けて戦えといういかにもフェンらしい趣向だが、さてランディとマギーはどんな対応を・・・?
そして、クライマックスは当然父親の仇をとろうとするランディとそれを返り討ちにしようとするフェンとの対決だが、これがまたおバカ映画にふさわしいバカバカしさだから、じっくり鑑賞を。まあ、ここまでやったおかげで全米初登場第3位を記録できたのかも・・・?
<マギー・Qに注目!>
この映画で私が注目したのは、主役のダン・フォグラーよりもむしろ紅一点のマギー・Q。色気タップリの服装でカンフーとピンポンの技をキメる彼女の役は、中国人のピンポン・マスターであるワン師匠(ジェームズ・ホン)の姪マギー。つまり、19年間もドサ周り稼業をしていたためオリンピック選手としてのかつての実力を失ってしまったランディを、ワン師匠とともにしっかりとシゴく役だ。
CG技術を駆使し、工夫に工夫を重ねたピンポンシーンがこの映画全体のウリだが、それも腹ボテのダン・フォグラーが演ずるより、超セクシーなマギー・Qが演じた方がカッコよく絵になるのは当然。彼女は私が『レディ・ウェポン(赤裸特工)』(02年)等で注目していた美人女優(『シネマルーム7』330頁参照)だが、最近は『80デイズ』(04年)、『M:i:Ⅲ』(06年)、『ダイ・ハード4.0』(07年)等ハリウッドでも大活躍!
もっとも、マギー・Qはこんなおバカ映画(?)もよく似合うが、たまにはシリアスな役でその美貌とセクシーさを示してほしいものだ。
2008(平成20)年2月19日記