LAW DE SHOW [16] 『暗殺・リトビネンコ事件』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2008年2月掲載分
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プーチンの「説明責任」は・・・?
米国大統領予備選は佳境に入ったが、ロシアの次期大統領はメドベージェフ氏で事実上決まり。絶対権力者のプーチン大統領は首相に回る。北の資源大国での二人三脚による権力のあり方が注目されている。
そんな今、2006年11月にロンドンのバーで放射性物質ポロニウム210を飲まされ暗殺された元FSB(ロシア連邦保安局)中佐リトビネンコ事件を告発するドキュメンタリー映画が公開中。「この映画をロシアの自由のために戦って死んだ人々すべてに捧げる」と宣言するネクラーソフは英国亡命中のリ氏を5年間も取材してきた硬派監督。
1991年のソ連邦解体目前に独立を宣言したチェチェン共和国に連邦軍を投入し、第一次チェチェン戦争を仕掛けたのがエリツィン大統領。次にプーチンが大統領に就任した99年に、モスクワで続発したアパート爆破事件をチェチェン人の犯行と断定、「テロリスト掃討」名目で連邦軍を進攻させたのが第二次チェチェン戦争。
リ氏亡命は、その裏側に隠されたFSBとプーチン政権との腐敗を告発したため。つまりリ氏は「爆破テロはFSBの工作だ」と驚くべき告白を!
ネ監督のカメラは、日本の常識では考えられない映像を次々と映し出す。第一は、チェチェン戦争犯罪を告発してきた女性記者ポリトコフスカヤが自宅のアパートで何者かに射殺された映像。彼女が語る「彼らはこう思ってる。好きに書くがいい。必要なら消すが、今は生かしといてやる」との言葉が遺言になるとは。第二は、リ氏と親交のあったネ監督の自宅の映像。これは何らかの警告? 第三は、毒殺容疑者のルゴボイ氏が英当局に対し容疑を否認する映像。
ショックを受けるのは、幅を利かせるKGB(ソ連国家保安委員会)出身のル氏が、昨年12月の下院選挙で当選したこと。まさにプーチン政権はこんな構造下で成り立っている。日本人には難解なテーマだが、経済大国ロシアへの投資熱が高まる昨今、「そんなの関係ねぇ」では済まされない大問題と認識すべし。プーチンは今こそ「説明責任」を果たす義務がある。