LAW DE SHOW [40] 『地球でいちばん幸せな場所』 |
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新聞記事 大阪日日新聞2008年8月掲載分
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失った心の再生を!
今なお深刻な枯れ葉剤被害の実態を描いた坂田雅子監督の『花はどこへいった』(07年)は“ベトナム戦争は終わっていない”という強烈なメッセージを伝えたが、ベトナム系米国人監督ステファン・ゴーガーが描くのは、10歳の少女トゥイを軸とした、美人客室乗務員ランと象の飼育員ハイの友情物語。
「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」とした倭国から隋皇帝への国書は意気揚々だが、少子高齢化が進み、後期高齢者問題の収拾すらつかない日本は今や落日の国? 他方、人口8400万人の6割以上が30歳未満という若々しい国がベトナムだ。人口の1割が集中するホーチミン市(旧サイゴン)での3人の出会いに注目!
叔父を嫌って家出し、路上で花を売るトゥイが「要保護児童」として一斉検挙された時、後見人になれるのは親族それとも友人? そんな法律論より大切なのは、人間同士の思いやりと絆。一見華やかだが孤独なランと心を通わせたトゥイは、象としか対話できない孤独なハイを結びつけたが、さて2人の恋の展開は?
また、トゥイを親族に奪われた2人の巻き返しとトゥイの自立心の行方は? 北京五輪開会式の豪華さとは異質の、心温まる中国映画が霍建起(フォ・ジェンチイ)監督の『山の郵便配達』(99年)と張藝謀(チャン・イーモウ)監督の『初恋のきた道』(00年)だったが、今や中国以上にベトナムが日本に最も近い国に?
東京は殺伐とした大都会と化したが、ベトナム発の3人の男女の心の交流模様は、私たちが失った何かを実感させてくれるはず。そこで納得するのが映画のタイトル。私たちもどこかで早くそれを見つけなければ。
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